東京 糸魚川 ファストラン
糸魚川ファストランに出場した。このイベントは1971年から始まっている、明治大学自転車部の伝統的なロングライドイベントである。
全行程288kmで、東京から日本海まで1日で駆け抜ける、驚きと魅力的なイベントである。
自転車をはじめた頃に、こういうイベントがあることを知り、いつかは参加したいと思っていたのだが、妻のつながりの関係で、まさかのタイミングで参加できるとは思っていなかった。
前日は、仕事の都合で寝れないと予想していたので、前々日に寝ようと考えていたが、愛猫が家の中で行方不明になるという事もあって、睡眠は十分にはとれなかった。いつもの事ではあるが、アドレナリンに期待して過ごすことに。
当日の天気は雨。5時のスタートの頃に降り始める3時にスタートした妻は降られていないのか少し心配。
気温は13℃
日中に17℃まであがる事は予想できるが
諏訪あたりでは9℃
この時期にしては冷たい。
ホットクリームを用意できなかったので
半袖ジャージに上半身だけレインウェアという装備。途中で暑くなったら脱げばいいのだろうと思っていたが、ゴールまで脱ぐ事はなかった。
スタートから20kmまではヒロさんと一緒に走る。
ヒロさんは上下バッチリレインウェアで決めて、暖かそうであった。単独で走り続けるのはペースが下がるので、一緒に走りたいと思っていたが信号の切り替わりでサヨナラ。タイミングが悪い。その後トヨさんが前をひいてくれようとしたが、出力の違いから見送ることに。
ここから糸魚川まで260km単独走の旅が確定した。
富士見峠を越えた後、体が冷え、コンビニのトイレに駆け込む。お腹を壊したらしい。でもこれはいつもの事と言い聞かせ、走る事に。CP1の諏訪に着く頃には指先が痺れる。やはり寒い。
CP1ではタマポタのサポートの方々が、待っていてくれた。今回妻がお世話になっているチームで、私も一緒にお世話になることになった。寒さに震えていたので、オヤジさんの「ガンバレヨ」の声が暖かくて嬉しい。CP1でお稲荷を口にほうばり、次のCP2へ向かう。
今回は体重が68kgオーバー 走れていない時の体重だ。
自転車乗るには、体重が邪魔をすることがよくある。塩尻峠の登りは斜度があり、ウエイトトレーニングには丁度よい感じだ。気温も一桁になるが、登りは熱が発生するので、いい感じに体が熱くなる。峠を超えた後は快調。松本走りで有名な松本を超えて、CP2の大岡物産センターに。走っている途中のしなのの道は新緑でとても景色が良い。藤の花が綺麗だ。
妻ともこの区間で会ったが、お互いの検討を祈り先に進む。そう、これは自分との闘いだ。
CP2ではヒロさんと再会する
どうやら膝を痛めたらしい。CP2から一緒に走るが、走り始めて痛みでスローダウンせざる得なく、いなくなってしまった。
この時点で150km あと残り半分。
気が遠くなるが残り100kmちょいと考えたら、少し気持ちが楽に。
長野では信号にたくさん捕まる。
どうやらここを抜けるのに信号にひっかからないルートがあるらしいが。
また登りを淡々と走り、200km地点で
CP3である黒姫高原に。まだまだ元気だが、少し呼吸が辛い。いつものアレだ。むせるやつ。深く呼吸ができない。
普段ロングライドをやらない私が一番気にしていたのが、ハンガーノック。CPでとにかく食べ、ゼリーや羊羹やカロリーメイトなどとにかく食べまくった。230km地点で出力が殆どでなくなったが、カロリーが足りないのか、脚がなくなったのか分からない。
日本海へ出た後は、平坦で30km出すのが辛い。
単独で走っていた私に、ようやくゴールまで一緒に走る仲間が見つかったのは残り25km地点。これはとてもありがたかった。日本海にたどり着いた感動はあったが、コーナーを曲がっても風景の変わらない日本海はなかなか辛い。約1時間一緒に走れるのは、心強い。声をかけて一緒にゴールを目指すことになった。
ゴールは5時前に。タイムは11時間50分
10時間後半を目指していたので、目標は大きく達成できす。リザルトの1枚目はなんとか載る事はできた。
ゴールした瞬間は、やりきった感があった。
こんなに長い距離自転車に乗ったのは初めてだ。直ぐに来年も走りたいと思うのは、病気なのかな。
妻は私の4時間後にゴールする。
仲間と励ましながら18時間でこの距離を走りきった。弱気な発言が多く、今回出走しないか、リタイアだと思ったが、本番には強い。
彼女のことを見直すには十分だった。
翌日ヒロさん一家と
糸魚川の海岸へ。天気は素晴らしい。
東京からここまで来た感動が心の内側から伝わって鳥肌になる。走りきって良かったと心から思う。
糸魚川は日本縦断の時に通った場所で、
ヒスイが有名だったという事を覚えている。
あれから10年以上経ったことに、時の流れと自分の場所を感じる。
糸魚川楽しかった。
タマポタのメンバーにはかなりお世話になった。夫婦共々感謝をしてもし足りないぐらい。また今回出走にあたり、ツチヤさん、繋いでいただいたケイコさんにも感謝の意を表したい。
来年はチームで出たいな。
もっと速く走破したい。